エアコン取り外しに「なぜ冷房運転を行うのか」。取り外し、移設工事依頼時には要注意
エアコンを取り外す際には冷房運転を行う必要があります。
このことを知らないで引越し時に業者にエアコンの取り外し(移設)工事を依頼するとトラブルになってしまう可能性が大いにありますのでトラブルケースとともに説明します。依頼主のお客様をご注意ください。
冷房運転を行うのは冷媒ガスの回収のため
「なぜ冷房運転を行わなければならないのか?」。結論から言いますと、室外機に冷媒ガスを回収するためです。
エアコンから冷たい風、暖かい風が出てくるのは、室内機・配管・室外機の中を循環している冷媒ガスが状態を変化を繰り返し熱交換を行っているからです。エアコンを稼働させていない時には室内機・配管・室外機の全てに冷媒ガスがある状態ですので、このままエアコンを取り外そうと思って配管のナットを緩めれば高圧のガスが噴出してきます。
もしエアコン移設時、取り外し作業の際にガスを出してしまえば移設先では「ガスが減ったエアコン」を取り付けることになりますので当然エアコンは効かず、ガスを再充填する必要があるのは想像できると思います。これは費用、作業、環境などどの点からみてもメリットはありません。
難しい話は省きますが、エアコンを冷房運転することで冷媒ガスを循環させ、室外機の弁を操作することで室外機の中に冷媒ガスを回収することができます。この作業のことをポンプダウンと言います。
しかし、実際の現場ではポンプダウンが「できない」「すぐにできない」などの問題もありますので解説していきます。
電源が使えない現場
引越し等で電気の契約をエアコン取り外し工事前に解約してしまうと、エアコン取り外しの際にエアコンが稼働できません。つまり、ポンプダウンの作業ができません。
このような時は電力会社に電話し一時的に契約し電気を使用できる状態にしてもらうか、近隣から延長コードで電源を借りるかの対応が必要になります。近所に顔見知りな人がいれば簡単に借りることもできると思います。
電力会社に電話して一時的に利用できる状態にしてもらう方法も難しくはありませんが、復旧まで時間がかかることもありその日のうちにエアコンが取り外せないというケースもあります。
ここでちょっと詳しい人ですと「冷媒回収ができない時は専用の冷媒回収機を使えばいいのでは?」と考えると思うのですが、この回収機を稼働させるのにも100Vの電源が必要です・・・
引越し時、電気の解約日とエアコン工事日には留意して調整してください
リモコンがなくても大丈夫?
ポンプダウンを行うために冷房で稼働させることはお分かりいただいたと思います。冷房運転は夏場でしたら普通にリモコンで行いますし、冬場など外気温が低い時でも基本的にはエアコン本体のスイッチで行うことができます(これを「強制冷房運転」と言います)。
しかし、メーカー・製造年代によっては強制冷房運転を行うのにリモコンが必要な機種が存在します。
そのため「純正リモコンを紛失した」「引越し先に持っていってしまった」となると強制冷房運転ができない、つまりポンプダウンできないってことになります。
リモコンが必要な代表的なメーカーはCORONA、富士通(一部機種)、三菱重工(一部機種)になりますが、本体スイッチが故障していることもありますので、他メーカーエアコンでもリモコンは工事前準備しておいた方が無難です。
以上、引越し時等のエアコン取り外し工事の際はポンプダウンという冷媒ガス回収作業を行う必要があり、電源・リモコンのことにも留意する必要があることお分かりいただけましたでしょうか?
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